厳しい経営状況の運送業界!現在必要とされるM&Aについて
運送業のM&Aが理由としては、社会状況の変化が大きいとされています。
特に大きい理由が中小企業の社長の平均年齢が60代だと言われていますが、事業を継がせる後継者がいないという点が問題です。
60代のオーナーができるだけ早くリタイアしたいという事情も合わさることで、ほかの第三者へ事業を継いでもらおうという考え方が広まっています。
それ以外にも、深刻なドライバー不足や燃料費の高騰などが理由として挙げられます。
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厳しい経営状況の運送業界!現在必要とされるM&Aについて
- 多くの運送業に関わる会社が赤字企業対策としてM&Aを行う
- 運送業界で深刻化する慢性的ドライバー不足への対策としてのM&A
- 運送業で受注競争が激化したことによる受注単価の低下対策としてのM&A
- 運送業で悩みの種である燃料費上昇の対策としてのM&A
- 運送業界でM&Aを行う際の企業価値の検証(2023/2/15)
- 運送業会社のM&Aを行う際に決め手となる取引価格について(2023/2/15)
- コストアプローチによるM&A対象の運送業会社の企業価値算定(2023/2/15)
- インカムアプローチによるM&A対象の運送業会社の企業価値算定(2023/2/15)
- マーケットアプローチによるM&A対象の運送業会社の企業価値算定(2023/2/15)
厳しい経営状況の運送業界!現在必要とされるM&Aについて
運送業のM&Aがなぜ注目されているかを、ここでは紹介しています。
運送業のM&Aが必要とされる理由としては、社会状況の変化が大きいとされています。
特に大きい理由が、後継者がいないという点です。
中小企業の社長の平均年齢は60代だと言われていますが、後継者がいないため第三者に継いでもらおうという考え方です。
60代のオーナーが、できるだけ早くリタイアしたいというのも理由となっています。
他にも、深刻なドライバー不足や燃料費の高騰などが挙げられます。
多くの運送業に関わる会社が赤字企業対策としてM&Aを行う
新型コロナ感染拡大は私たちの生活を大きく激変させてしまいました。
できるだけステイホームで自粛生活が推奨され、今迄気軽に買い物や食事に行っていたのも出来なくなりました。
そこで買い物などをネット通販などで行い、娯楽をフリマアプリの買い物で楽しむといったことが多くなったんです。
それに伴って運送業者は多忙を極めることになったんです。
一見すると運送業は大きな売り上げがあってコロナ禍でも問題が内藤に思われます。
しかし中小零細の運送業は熾烈な大手との価格競争が強いられ、それに対抗できず赤字企業となっていることも多いです。
この場合会社ごと売却をもくろむ場合も多いですが、多くはM&Aを選択するんです。
大手傘下に入ってしまえば合理化で体質強化もでき、一気に大手のノウハウを取得して大きな売り上げを実現することも出来ます。
さらにエリア拡大も簡単にできてしまい、作業効率も大手のノウハウを継承するので飛躍的にアップするようになります。
運送業界で深刻化する慢性的ドライバー不足への対策としてのM&A
運送業では慢性的ドライバー不足が問題になっていて、その対策としてM&Aを行い統合で人材集約する企業も増えてます。
買収先から優秀で若い人材確保出来て、新しい技術獲得・経営基盤強化などメリットも多いです。
M&Aをすると買収先の人をそのまま受け入れられるので、同じ運送業なら既に経験や知識がある人材を獲得出来て、新たな育成・研修などのコストも抑えられます。
また、少子化で跡継ぎに関しての問題も多いですが、後継者が見つからないときにもこの方法が有効で経営能力が高い人へ承継出来れば後継者の育成する時間をかけないで事業を後継出来ます。
新しい技術を最初から開発すると時間・コストもかかりますが、これも技術を持っている企業を買収出来るので競争力があるノウハウなどを取り込んで業界や市場で優位な立場を獲得できるのも魅力です。
注意したいのは退職が近い年齢層が多い企業だと、一時的に人材が確保できても近い将来に人手が不足する可能性があり、資格・ノウハウがない人を確保しても育成に時間やコストがかかるので即戦力としては期待出来ません。
人材確保目的なら、買収先の年齢層・スキルなども重要となってきます。
運送業で受注競争が激化したことによる受注単価の低下対策としてのM&A
運送業で受注競争が激化したことによる受注単価の低下対策として、M&Aを行うケースがあります。
運送業は過当競争が繰り広げられているため、単価自体が安くなってきています。
特に中小企業などは大手と比べて財務体質が弱く、値下げに踏み切れず厳しい競争を余儀なくされているケースが少なくないのです。
子の対応策として事業規模拡大で影響力向上することで、単価競争に歯止めをかけたり管理コストを圧縮することで競争に勝ち抜く方法が存在します。
具体的に経営統合をしていくと、超長期的な管理コストを下げることができたり地域における影響力を高めることができます。
そうすること価格交渉においても、柔軟に対応できる機会が増えることや人員についても管理部門から現場に投入できる可能性も出てきます。
地域特化でパフォーマンスを発揮すれば、大手企業とも対等までとはいかずとも善戦できる機会が増えてくることもありえます。
このように、様々な戦略の幅を広げてくれるのです。
運送業で悩みの種である燃料費上昇の対策としてのM&A
昨今は原油の価格が上昇傾向で、ガソリン1リットルあたりの価格は100年ぶりの大台を記録するようになりました。
この影響を最も受けているのが運送業であり、トラックをすべて業務に回せない会社も出てきているほどです。
運送業は人手不足も深刻なうえに、原油の値上がりのダブルパンチを受けてしまいました。
大手では2019年、日本ではじめて運送業同士のM&Aを実施したのは記憶に新しいことでしょう。
なぜM&Aに踏み切ったのか、その理由をここで簡単に解説をしていきます。
まず企業間提携をするということは、ライバル関係ではなくなることを意味するわけです。
協力会社同士であれば、支店増で輸送短縮を可能にしており少ない人手でも効率よく発送をすることができます。
そして支店数が増えるということは必然的にトラックが長距離稼働をしなくても済むことを意味します。
つまり、運転に必要な燃料を最小限にして、業務を円滑に推し進められるのが魅力です。
運送業界でM&Aを行う際の企業価値の検証
運送業でM&Aを行う時には企業価値の検証が欠かせませんが、その時に活用出来るのが時価純資産です。
これは企業価値の評価を算出する種類の一つで、主に3つのアプローチがありインカム・コスト・マーケットです。
時価純資産はコストアプローチに含まれるもので、該当企業の純資産を元に企業価値を算出出来ます。
企業の保有資産の時価総額から負債の時価総額を差し引いて計算します。
他の方法だと専門知識や多くのデータが必要ですが、この方法だと貸借対照表のデータを計算式に当てはめるだけで簡単です。
個人の主観も入りにくくて正確に計算が可能なので中小企業のM&Aでよく使われてます。
コストアプローチには薄価純資産法もありますが、これは会計上の帳簿価格を元に計算するもので、帳簿が元なので客観性があります。
ただ、帳簿と時価が違う場合だと算出した純資産が大きく異なります。
運送業だと、マーケットアプローチも使う場合もありますが、これは株式市場を元に他社の企業の価値に着目して計算するもので、同じ市場の他社へ着目するので現時点で業績が良くない場合に使われてます。
運送業会社のM&Aを行う際に決め手となる取引価格について
運送業の会社がM&Aを行う時に重要なのが取引価格ですが、これは企業価値の算定を算出して決めていきます。
これには主に3種類のアプローチがあって、インカムは自社の収益力や将来獲得する利益、キャッシュフローをベースに計算します。
自社の将来の収益力を価値や自社の個別の事象を反映出来て、買収会社にとって企業の価値を正しく判断しやすいです。
事業計画には個別の事象も織り込めるので、他社にない特徴を正しく反映出来ます。
マーケットは、市場の同じ運送業の会社や取引をベースに自社の収益力と比べて計算します。
市場情報がベースなので客観性の高い評価結果が得られて、似ている会社を基本にするので恣意性が入りにくく、簡便的に評価したい時に使われてます。
コストは、自社の純資産を使って算出するもので、資産と負債の差額である純資産なので客観性に優れていて、時価評価をすることでさらに増します。
よく使われるのが時価純資産法で、会社が持っている資産・負債を全て時価に置き換えて、資産から負債を控除し純資産を計算します。
コストアプローチによるM&A対象の運送業会社の企業価値算定
コストアプローチとは、純資産金額を基準に企業価値を算定する方法の総称で、本来は企業買収のM&Aではなく事業を継続しない会社に対して多用されます。
運送業はドライバー不足が続いていて、ドライバーを確保できなければ将来の存続も危ぶまれるほど人材不足になっています。
運送業界では、M&Aを用いてドライバーを獲得できるとして、経営基盤安定のために用いられ始めてます。
コストアプローチによる代表的な手法は、貸借対照表に則って帳簿資産の合計から株式を割り出す方法や、資産全てを一度直に換算してから負債の時価を引いて算定する方法と、倒産した会社や企業再生を目的とした方法があります。
前者の2つの方法は、帳簿が合っている限りにおいてその企業の現時点の純資産金額を正確に知る事が出来ます。
運輸業は存続のために行うので、前者の2つの方法を用いてドライバーに対して将来性のある経営が安定していて将来性のあり給料が上がる可能性がある会社だとアピールできます。
インカムアプローチによるM&A対象の運送業会社の企業価値算定
M&Aの対象となる運送業会社の企業価値を算定する場合には、インカムアプローチという方法が使用されることもあります。
インカムアプローチとは、企業の収入に基づいて会社の価値が計算される方法です。
この方法で重視されるのは将来の収益力で、キャッシュフローなどを使用して収益力を計算します。
インカムアプローチには複数の方法があり、それぞれ計算方法が違っています。
その中の一つがディスカウンテッド・キャッシュフロー法で、DCF法と呼ばれることもあります。
この方法の特徴は、将来獲得できるフリーキャッシュフローの合計額を、現在価値で割り引くことです。
収益還元法でインカムアプローチを計算することもでき、この方法の特徴は、企業が将来生み出す収益を現在価値になおして、企業価値を評価することです。
インカムアプローチで使用されているもう一つの計算方法は、配当還元法です。
将来の配当額を予測して会社の価値を計算する方法です。
いずれの方法でも、M&Aをしたい運送業会社の価値を調べることができます。
マーケットアプローチによるM&A対象の運送業会社の企業価値算定
M&Aを行い効率的に経営改善を行うためには、対象となる運送業会社の企業価値を正確に判定することが重要となります。
実際にこれらの企業を買収することで自らの企業の能力を高め、さらにサービスを拡充させると言う考え方が主流となっていますが、同時に自らの企業価値を高めて株主等の評価を向上させることで、株価の上昇や様々な対外的な価値の向上などが見込める場合も多く、これらは経営状態の改善や様々な市場への新たなアプローチにつながると言うことも少なくありません。
対象の運送業会社の価値を算定する際には、類似業界例を参照するのが非常に良い方法です。
様々な業界の実例を参考にしその金額を算出することで、M&Aを行う際に具体的な取引金額を実例で知ることができるほか、一般的な企業価値との違いなども推測することができます。
これらの類似業界例を効率的に利用することで、対外的にもその数値の正当性をアピールすることができ、効果的な取引を行うことができるのがメリットです。